建売住宅の23区の平均価格を区ごとに解説!平均から知る相場価格の考え方とは?

不動産購入を検討したとき、「この価格って高いの?安いの?」と感じたことはありませんか?

マンションであれば、同じマンション内で過去の売買履歴を比較できるため、相場感をつかみやすいという特徴があります。しかし戸建ての場合は話が違います。同じ土地は世界にひとつしかなく、面積も形も立地条件もバラバラです。そのため、「隣の家と比べる」ということが構造的にできません。

私はこれまで不動産の現場で5,000件以上の査定に携わり、1,000件以上の内見に同行してきました。その経験の中で痛感したのは、「相場を知らないまま購入してしまう人がいかに多いか」ということです。

相場を知らずに買えば、払わなくてもよかった数百万円を損することもあります。逆に、相場の読み方を知っていれば、同じ予算でより良い物件を選べるようになります。

この記事では、東日本レインズの2025年成約データをもとに、東京23区の建売住宅の平均価格を区ごとに整理し、その数字をどう読み解けばいいのかを、実務経験をもとにわかりやすく解説します。「数字を見ても何がわからないのかもわからない」という方にこそ、読んでいただきたい内容です。

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こんな人におすすめ
  • 戸建ての購入を検討している
  • エリアごとの相場を知りたい
  • 平均価格を知りたい
目次

東京23区の建売住宅の平均価格はいくら?

エリアごとの平均価格一覧

東京23区で建売住宅を検討しているなら、まず頭に入れておきたいのが「23区全体の価格帯の感覚」です。

「東京の家は高い」というイメージは多くの人が持っていますが、実際にどのくらいの価格帯なのかを数字として把握している人は意外と少ないものです。感覚だけで動いてしまうと、予算設定が甘くなったり、逆に諦めが早すぎたりと、判断がブレやすくなります。

まず全体像を把握してから、区ごとの詳細に入っていきましょう。大きなところから小さなところへ、順番に見ていくことで、自分の予算がどのエリアに対応しているのかが自然とわかってきます。

今回参照したのは、「東日本レインズ(国土交通大臣指定・公益財団法人 東日本不動産流通機構)」が公表している2025年の1年間の成約データです。実際に売買が成立した取引をもとにした数字なので、広告に掲載されている「販売価格」とは異なり、より実態に近い相場感が読み取れます。

No. 区名 平均価 (万円) 一言コメント
1 千代田区 履歴無 官庁・大手企業が集中する超都心エリアのためそもそも戸建用地が少ない。
2 港区 履歴無 六本木・麻布・赤坂を擁する高級エリア。

マンション需要が圧倒的に高く、戸建用地が少ない。

3 中央区 14,200 銀座・日本橋を抱える23区最高値エリア。
4 新宿区 9,238 交通利便性が非常に高く、商業・住宅が混在するエリア。坪単価が高い。

土地面積は狭めになりやすい。

5 文京区 11,770 東大・有名私立学校が多く、教育熱心なファミリー層に根強い人気。

地価が高く価格も高止まりしやすい。

6 台東区 6,573 浅草・上野を擁する下町エリア。

観光地としての価値を保ちなが住宅地としては比較的手の届きやすい水準。

7 墨田区 5,803 スカイツリーで知名度が上がったエリア。

下町の雰囲気が残りつつ再開発が進んでいるエリアであるものの、

隅田川による洪水浸水リスクや、液状化懸念で低価格になりやすい。

8 江東区 6,801 湾岸エリアの開発が進み、ファミリー層の流入が増加。

エリアによって価格差が大きい。

9 品川区 11,179 新幹線・羽田へのアクセスが良く、共働きファミリーに人気。

再開発エリアに近い物件は特に高値になりやすい。

10 目黒区 14,126 閑静な住宅街として根強い人気を誇る高級エリア。

23区内でもトップクラスの地価水準。

11 大田区 7,424 羽田空港に近く、広い区域の中で価格帯にばらつきがある。

蒲田周辺と高級住宅地では相場が大きく異なる。

12 世田谷区 9,656 23区最大の人口を誇る住宅エリア。

ブランド力が高く、価格は高めながらも建売の流通量も多い。

13 渋谷区 13,935 商業・文化の中心地。

住宅地としては代々木上原・松濤などが人気で、価格は都内トップクラス。

14 中野区 8,238 新宿へのアクセスが良く、コストパフォーマンスの高さで人気。

中央線沿線の利便性が価格を下支えしている。

15 杉並区 8,768 閑静な住宅街が多く、子育て世代に人気。

吉祥寺・高円寺など人気駅を擁し、価格はやや高め。

16 豊島区 9,967 池袋を中心に再開発が進む注目エリア。

交通の要衝で利便性が高く、価格も上昇傾向にある。

17 北区 7,044 赤羽・王子など交通利便性の高い駅がある。

コスパ重視の層に人気。

18 荒川区 6,961 下町の雰囲気が色濃く残るエリア。

日暮里など交通の便が良い駅もあり、価格は23区内では手が届きやすい水準。

19 板橋区 7,038 都心へのアクセスを保ちながらも価格が抑えめ。

ファミリー向けの建売流通量が多く、選択肢が広い。

20 練馬区 6,585 23区内でも土地が広めで緑が多い住宅エリア。

価格は低めで、広い家を求めるファミリーに向いている。

21 足立区 4,990 23区内で最も価格が低いエリア。

利便性は上がっているが地価は依然として手が届きやすい。

22 葛飾区 5,135 下町情緒が残り、生活コストが低いエリア。

TX・常磐線沿線の利便性がある。

コスパ重視の購入者に人気。

23 江戸川区 5,797 公園や自然環境が豊かで、子育て支援が充実している区。

川に囲まれているエリアなため、浸水リスクと液状化リスクがある。

低価格な分、広い土地の建売が比較的見つかりやすい。

全体平均 8,630

最も高いのは14,200万円の中央区

最も安いのは4,990万円の足立区

23区平均は8,630万円

この数字だけ見ると「やっぱり23区は高い…」と感じる方もいるかもしれません。でも、ここで注目してほしいのは、最高値と最安値で約3倍もの差があるということです。

「23区=手が届かない」ではなく、「区によって全然違う」というのが正しい理解です。

また、千代田区と港区については成約データが存在しませんでした。これは、これらのエリアで建売住宅の流通がほとんどない、つまり実需向けの建売が建てられるような土地の供給自体が極めて少ないことを意味しています。超都心のエリアは、不動産の形態としてマンションが中心になるため、戸建ての建売という商品がそもそも市場に出てきにくいのです。

相場価格の「読み方」を知らないと損をする

平均価格の一覧を見ただけで「相場がわかった」と思うのは、実はちょっと危険です。

平均というのは、あくまですべての取引を足して件数で割った数字です。極端に高い物件や安い物件が含まれていれば、その影響を受けてしまいます。成約件数が少ない区であれば、たった数件の取引で平均が大きく動くこともあります。

「平均価格と同じ価格の物件を買えば相場通り」というわけではない、ということを最初に理解しておいてください。

では、相場を正しく読み解くにはどうすればいいのか。答えは「価格に影響を与える条件を一つひとつ把握すること」です。

平均価格はあくまで目安、条件によって大きくブレる

戸建ての価格が変動する要因は多数あり、この記事だけでは語りきることはできませんが、ここでは代表的な5つを紹介します。

これら5つの条件を組み合わせて見ていくことで、ある物件の価格が「平均より安い理由」や「平均より高い理由」が自然と見えてきます。

価格の高い安いを感覚で判断するのではなく、条件を一つひとつ確認しながら判断することが、相場を正しく読むということです。

23区で建売を買う場合の現実的な予算の考え方

平均価格と相場の読み方がわかったところで、次に考えたいのが「自分はいくらまで出せるのか」という現実的な予算の話です。

相場を知ることと、自分が買える価格を知ることは別の話です。いくら相場がわかっても、予算オーバーの物件を検討し続けても意味がありません。逆に、自分の借入可能額をきちんと把握できれば、どのエリアでどんな物件を狙えばいいかが具体的に見えてきます。

「なんとなく5,000万円くらいなら買えるかな」ではなく、数字の根拠を持って動くことが大切です。ここでは、予算を考えるうえで知っておきたい2つのポイントをお伝えします。

住宅ローンで借りられるのは年収の7倍~8倍程度

住宅ローンで借りられる額は、金融機関や審査の状況によって異なりますが、一般的には年収の7倍〜8倍程度が目安とされています。

たとえば、年収500万円であれば、借入可能額の目安は3,500万円〜4,000万円程度です。

年収800万円であれば、5,600万円〜6,400万円程度が目安になります。

この数字と先ほどの区ごとの平均価格を照らし合わせると、自分がどのエリアで現実的に検討できるのかが見えてきます。

たとえば年収500万円の方が頭金なしで動くとすると、23区の平均8,630万円には届かないことになります。しかし、足立区(4,990万円)や葛飾区(5,135万円)あたりであれば、物件の条件次第で手が届く可能性が出てきます。

「23区は無理」と諦める前に、エリアを絞って現実的なラインを探すことが重要です。

また、住宅ローンの審査は年収だけでなく、勤続年数や他の借入状況なども関係します。「いくら借りられるか」を実際に金融機関に確認してみることが、予算を固める最初のステップです(建売新築戸建てはローンが通らない?│建売の住宅ローン事情を徹底解説)。

諸費用で数百万円かかる

戸建てを購入する際、見落としがちなのが諸費用です。

物件の代金だけを予算として考えてしまうと、いざ契約の段階になって「思ったよりお金が足りない」という事態になりかねません。

戸建て購入にかかる諸費用は、おおよそ売買価格の7%〜8%程度が目安です。

たとえば5,000万円の物件を購入する場合、350万円〜400万円程度の諸費用が別途かかる計算になります。この費用には、仲介手数料・登記費用・ローン手数料・火災保険料・固定資産税の精算金などが含まれます。

ただし、この諸費用のうち最も大きな割合を占める仲介手数料については、不動産会社によっては無料にできるケースがあります。数十万円〜百万円以上の節約になることもあるため、仲介手数料の扱いについては必ず事前に確認するようにしてください。

諸費用を100万円以上下げる方法はこちら:建売住宅の仲介手数料無料会社ランキング!新築戸建てはなぜ無料にできるのか?

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、東日本レインズの2025年成約データをもとに、東京23区の建売住宅の平均価格を区ごとに整理し、その数字の読み方と予算の考え方についてお伝えしました。

最後にあらためて、この記事のポイントを整理しておきます。

まず、23区の建売住宅の平均価格には大きな幅があります。最も高い中央区が約1億4,200万円、最も安い足立区が約4,990万円と、同じ23区内でも3倍近くの差があります。「23区は高い」というひとくくりの感覚ではなく、区ごとの価格差をきちんと把握することが最初のステップです。

次に、平均価格はあくまで目安であり、個別の物件の価格は駅距離・土地の形・私道か公道か・角地かどうかといった条件によって大きく変わります。「平均より安い=お得」とは限りませんし、「平均より高い=割高」とも限りません。条件の差し引きで価格の妥当性を判断することが、相場を正しく読む力につながります。

そして、予算の考え方として大切なのは「借入可能額を把握すること」と「諸費用を忘れないこと」の2点です。住宅ローンは年収の7〜8倍程度が目安であり、さらに売買価格の7〜8%程度の諸費用がかかります。この2つを踏まえたうえで、現実的なエリアと価格帯を絞っていくことが、後悔しない家選びへの近道です。

相場を知ることは、交渉の武器にもなりますし、自分を守る知識にもなります。ぜひこの記事を参考に、エリア選びと予算設定を具体的に進めてみてください。

中古マンションの相場についてはこちら:中古マンション過去30年の価格推移と成約数推移と㎡単価推移をまとめました – 中古マンション専門メディアミクロ不動産

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