23区の建売住宅の平均坪数や平均平米を徹底的に解説│広さの相場は事前に知っておこう

不動産購入の相談を受けていると、ほとんどの方が「広い家に住みたい」とおっしゃいます。

これは当たり前の感覚で、私自身も10年以上仲介の現場に立ってきましたが、最初の希望条件で「狭くてもいいです」と言う方には、ほぼ出会ったことがありません。

ただ、ここで一度立ち止まって考えてほしいのです。

「広ければ広いほどいい」という感覚と、「そのエリアで売れている広さ」は、必ずしもイコールではありません。

私はこれまで、お客様から「将来売るときに困らない家を選びたい」というご相談を何度も受けてきました。

その都度、過去の成約データを掘り下げてお伝えしてきたのですが、意外にも「自分が探しているエリアの平均的な広さ」を把握している方は、ほとんどいらっしゃいません。

今回の記事では、過去に私が書いた「広さの目安」に関する記事を読者の方からのフィードバックをもとに大幅にアップデートし、東京23区それぞれの建売住宅の平均面積を、実際の成約データから一つずつ計算してまとめました。

これから戸建ての購入を検討している方にとって、エリア選びの「ものさし」として使っていただける内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

💡建売住宅の完全ガイド|初心者が失敗しないための全ステップ

こんな人におすすめ
  • 戸建ての購入を検討している
  • エリアごとの広さの相場を知りたい
目次

東京23区の建売住宅の広さの相場は何坪か?

それでは、本題に入っていきましょう。

東京23区と一口に言っても、足立区と港区ではまったく雰囲気が違いますよね。

土地の値段も違えば、住んでいる方の層も違いますし、当然「販売されている戸建ての広さ」も大きく変わってきます。

私が現場で感じるのは、「3LDKが当たり前」「4LDKじゃないと家族で住めない」といった先入観で物件探しをスタートしてしまう方が、本当に多いということ。

でも、エリアによってはその「当たり前」が通用しないこともあるんです。

たとえば都心部では、家族向けでも90㎡を切る物件が普通に流通しています。

一方、郊外寄りのエリアでは、100㎡を超える物件が標準サイズになっていることもあります。

つまり、自分が探しているエリアの「相場の広さ」を知らずに条件を絞ってしまうと、「物件がほとんど出てこない」「予算と合わない」といった事態に陥りやすいんですね。

エリアごとの平均坪数の一覧

戸建ては3LDKが当たり前、4LDKが当たり前という感覚で考えがちですが、正確な広さの相場を抑えておくことは、購入後の納得感や満足感に繋がります。

今回参照したのは、「東日本レインズ(国土交通大臣指定・公益財団法人 東日本不動産流通機構)」が公表している2025年の1年間の成約データです。

区名 成約件数 平均建物面積(㎡) 平均建物面積(坪)
足立区 198件 99.27㎡ 30.03坪
荒川区 22件 98.52㎡ 29.80坪
板橋区 122件 98.65㎡ 29.84坪
江戸川区 203件 100.47㎡ 30.39坪
大田区 130件 100.42㎡ 30.38坪
葛飾区 169件 98.16㎡ 29.69坪
北区 107件 99.39㎡ 30.07坪
江東区 43件 97.99㎡ 29.64坪
品川区 27件 100.99㎡ 30.55坪
渋谷区 9件 100.60㎡ 30.43坪
新宿区 14件 85.62㎡ 25.90坪
杉並区 132件 90.13㎡ 27.26坪
墨田区 45件 89.60㎡ 27.10坪
世田谷区 127件 97.19㎡ 29.40坪
台東区 9件 88.22㎡ 26.68坪
中央区 1件 77.67㎡ 23.49坪
千代田区 0件
豊島区 44件 100.92㎡ 30.53坪
中野区 65件 99.10㎡ 29.98坪
練馬区 279件 93.55㎡ 28.30坪
文京区 16件 94.81㎡ 28.68坪
港区 0件
目黒区 11件 119.42㎡ 36.13坪
23区全体(加重平均) 1,773件 97.31㎡ 29.44坪

この一覧を眺めていただくと、おもしろい傾向が見えてきます。

正直なところ、私もデータを集計する前は「目黒区や世田谷区はもっと広いはず」「下町エリアは狭めなはず」と予想していました。

でも実際は、飛びぬけて広いエリアというものはほとんどなく、おおむね30坪前後に集中しているんです。

これは私にとっても発見でした。

23区全体の加重平均は29.44坪。

つまり、「東京23区で建売住宅を買うなら、だいたい30坪前後が標準」というのが、データから導き出される結論になります。

ただし、この中で明らかに平均から外れているエリアがいくつかあるので、それらを詳しく見ていきましょう。

 

新宿区 25.90坪

まず最初に注目してほしいのが、新宿区です。

23区全体の平均が約30坪なのに対して、新宿区は25.90坪と、約4坪も少ない結果になりました。

「たかが4坪」と感じるかもしれませんが、4坪というのは約13㎡。

これは、6畳の部屋がまるまる1部屋分に相当する広さです。

つまり、新宿区の建売住宅は、他のエリアと比べて「部屋が1つ少ない感覚」の家が標準ということになります。

なぜこういう結果になるのか、現場感覚からお伝えすると、新宿区は土地が高すぎて、広い建物を建てると価格がとんでもないことになるからです。

たとえば30坪の建売を建てようとすると、土地と建物で1億円を軽く超えるエリアもあります。

そうなると、買える人がぐっと絞られてしまうので、不動産業者としては「2LDKや3LDKコンパクト」という設計で、価格を抑えた物件を出すケースが増えるんですね。

逆に言えば、新宿区では「2LDKの戸建て」でも十分に売れる地域だということ。

将来売却するときも、エリアの相場感に合っているので、買い手がつきやすいという見方もできます。

中央区 23.49坪

そして、もう一つ注目したいのが中央区です。

成約件数こそ1件と非常に少ないのですが、平均面積は23.49坪と、23区の中で最も小さい結果になりました。

中央区といえば、銀座や日本橋を擁する、日本で最も単価の高いエリアの一つです。

土地の値段が高いということは、当然、建てられる建物の規模も小さくなりがち。

そもそも中央区は、戸建てよりもタワーマンションの需要が圧倒的に強いエリアでもあります。

そんな中で、あえて戸建てを建てるとなると、コンパクトな設計にして価格をなんとか抑えるしかないんですね。

ただ、ここで重要なのは「中央区では小さくても売れる」という事実です。

エリアブランドが強いため、面積が小さくてもそのエリアに住みたい人は一定数いますし、富裕層のセカンドハウス需要などもあります。

逆に言えば、郊外で23坪の戸建てを建てても、なかなか買い手がつきにくいでしょう。

この「エリアごとの売れる広さの違い」が、不動産購入を考えるうえで本当に大事なポイントなんです。

 

💡平均価格について知りたい人はこちら:建売住宅の23区の平均価格を区ごとに解説!平均から知る相場価格の考え方とは?

広さの相場は気にするべきだが優先度は低い

ここまで読んでいただいて、「じゃあ自分も相場に合わせなきゃ」と思った方もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。

私が普段お客様にお伝えしているのは、「広さの相場は知っておくべきだけど、優先度は決して高くない」ということです。

確かに、相場とかけ離れた広さの物件を買うと、将来の売却で苦労する可能性はあります。

でも、それ以上に大切なのは、「あなた自身が住みたい広さの家に住むこと」です。

これは10年以上現場にいて、本当に強く思うことです。

たとえば、あなたが住みたい広さが70㎡だとしましょう。

それに対して、探しているエリアの相場が100㎡だったとします。

このとき、無理して100㎡に合わせる必要はまったくありません。

なぜなら、100㎡に合わせると、その分だけ不動産価格は当然上がります。

数千万円単位で予算が変わってくることもありますし、月々の住宅ローンの返済額も大きく変わってきます。

「将来売れるかもしれない」という不確定な未来のために、今の生活を圧迫してまで広い家を買うのは、本末転倒です。

私が大事にしているのは、「今の暮らしの満足度」と「将来のリスク」のバランスです。

このバランスは人それぞれ違いますので、ぜひご自身の価値観で判断してください。

 

広さも大事だが他の条件も大切

最後に、広さ以外の「売れやすさを左右する条件」についても触れておきます。

不動産の売れやすさは、広さだけで決まるものではありません。

むしろ、広さよりも他の条件のほうが影響が大きいケースも多々あります。

私が物件を査定するときに必ずチェックするのは、次のようなポイントです。

  • 接道する道路が私道なのか、公道なのか
  • 洪水ハザードマップでどのエリアに該当するか
  • 土地の面積はどれくらいか
  • 土地の形状(整形地か、変形地か)
  • 前面道路の幅員はどれくらいか
  • 近隣にどんな施設があるか(嫌悪施設の有無)
  • 駅からの距離と、駅力(その駅自体の人気度)

たとえば、いくら広くても私道に接していて、しかも所有者との関係が悪い物件は、将来の売却でかなり苦労します。

逆に、面積が多少小さくても、駅近で公道に接していて、ハザードリスクも低い物件であれば、将来も買い手がつきやすいです。

つまり、広さだけを見て「これは将来も売れる」「これは売れない」と判断するのは、とても危険なんです。

物件選びのときは、広さは「数ある条件の一つ」として捉えて、トータルバランスで判断することが大切ですよ(新築戸建て内覧会や内見のチェックリスト16選!建売住宅でも油断できない)。

 

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、東京23区の建売住宅の平均面積を、実際の成約データから一つずつ計算してご紹介しました。

結論として、23区全体の平均は29.44坪、おおむね30坪前後が標準という結果になりました。

ただし、新宿区や中央区のように、土地単価が高いエリアでは平均面積が小さくなる傾向があります。

ここで一番お伝えしたかったのは、「相場を知ること」と「相場に合わせること」は別物だということです。

相場を知ることは、自分の選択を客観的に見るために絶対に必要です。

でも、相場に無理して合わせると、価格が跳ね上がって今の生活を苦しめてしまう可能性があります。

私が10年以上現場で見てきて確信しているのは、後悔しない不動産購入とは、「自分の暮らしに必要な広さ」と「エリアの相場感」、そして「広さ以外の条件」をすべて天秤にかけて、自分なりのベストを選び取ることだということ。

この記事が、皆さんの物件選びのものさしになれば、これほど嬉しいことはありません。

迷ったときは、ぜひ私の他の記事も参考にしながら、納得のいく一軒を見つけてくださいね。

中古マンションの相場についてはこちら:中古マンション過去30年の価格推移と成約数推移と㎡単価推移をまとめました – 中古マンション専門メディアミクロ不動産

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