建売新築の購入に限らず、マイホームの購入を考えた際に直面する「手付金」というお金について
皆さんはちゃんと理解できていますでしょうか。
「頭金との違いは?」 「頭金は0円でも買えるんじゃないの?」 このあたりについて解説します。
- 新築戸建ての購入を検討している人
- 手付金と頭金の違いについて知りたい人
- 手付金の性質について理解したい人
手付金と頭金の違い
では早速、手付金と頭金の違いについて解説します。
手付金とは
手付金について、不動産売買契約書には下記のように書かれています。
買主は、売主に対し、表記手付金(以下「手付金」といいます。)を本契約締結と同時に支払います。
前項の手付金は、表記残代金(以下「残代金」といいます。)支払いのときに、売買代金の一部に無利息にて充当します。
つまり、手付金とは、不動産売買契約の締結と同時に支払う、売買代金の一部のお金のことを言います。
この金額の相場は5%なので、3,000万円の売買契約であれば、150万円です。これが手付金です。
手付金の条文はもう一つあります。
売主、買主は、その相手方が本契約の履行に着手するまでは、互いに書面により通知して、買主は、売主に対し、手付金を放棄して、売主は、買主に対し、手付金等受領済みの金員および手付金と同額の金員を買主に現実に提供することにより、本契約を解除することができます。
手付金が150万円と仮定した場合で解説すると、
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買いたい人は、支払い済みの150万円を放棄(損失)することで契約自体を解除することができます。
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売りたい人は、預かっている150万円を買いたい人に返し、さらに同額の150万円を支払うことで契約自体を解除することができます。
つまり、売買契約を手付金分の150万円で解除できるということです。 手付金は、**「契約成立の証」という意味と、「手付解除」**という2つの性質を持っています
頭金とは
頭金はシンプルに考えましょう。 あなたが家を買いたいときに、いくら現金を準備できますか? そのお金が頭金です。 300万円準備できるなら、それが頭金です。 50万円準備できるなら、それが頭金です。 0円なら、頭金は0円です。
頭金とは、手付金とは全く別の性質であり、別の言葉です。 頭金は、シンプルに**「あなたが用意できる自己資金」**のことを言います。
頭金は、シンプルにあなたが用意できるお金のことを言います。
頭金0円の仕組み、手付金と頭金の矛盾についてはこちらを参照ください ⇒ 建売新築の購入で頭金なしは実現可能か?頭金はいくら必要なのか?0円は可能なのか – 土地と戸建ての住宅メディア
手付解除期日
前述した手付解除について、無期限というわけではありません。必ず「期日」が設けられています。
下記は売買契約書の一部を想定した例です。
この内容では、
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売買価格:3,000万円
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手付金:150万円
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残代金:2,850万円を令和7年1月30日までに支払うべき契約
になっており、手付解除期日は令和7年1月15日と記載されています。 つまり、この契約書の場合は、1月15日までであれば手付解除を利用して解除することができます。
手付解除期日は何日がベスト?
手付解除期日に「この日が正解」という日はありませんが、ここでは何日にしたほうがより買主に有利なのかを解説します。
ズバリ、手付解除期日は、長いに越したことはありません。 なぜでしょうか。
答えはシンプルです。
買いたい人が何かしらの理由で売買契約を解除したい場合に、最小限の損失で解除できる権利だからです。
売主も買主も、何かしらの事情で解除しなければならないことが、ごく稀にあります。
そんなときに、手付解除期日内での検討と、解除期日を過ぎてからの検討では、損失額に大きな差が出てしまいます。
手付解除であれば150万円の損失で済んだものが、解除期日を過ぎてからの解除となると、**「違約金」**での解除方法になります。
金額が跳ね上がり、相場は売買価格の10%~20%が違約金の額です。
3,000万円の売買価格の場合は、300万円~600万円ということになります。
そのため、手付解除期日は長ければ長いほうがいい、というのが買主目線の私の答えです。
建売は手付解除期日が長い
建売住宅の場合、手付解除期日は「残代金決済日(引き渡し日)」と同日に設定されることが多いです。
これは不動産業法(宅建業法)の規定が関わっており、不動産業者売主の場合は長い期日設定になります。
不動産業者が売主の場合は、手付解除期日を残代金決済日に合わせなければなりません。
こういった細かいポイントも法律で守られている点から、建売新築住宅の購入は安全が担保されている不動産購入と言えるかもしれませんね。
個人間売買では短く設定されることが多い
一方、個人間売買(中古住宅など)では、手付解除期日は短く設定されがちです。
これは、手付解除期日が短ければ短いほど、売主側の解約リスクが低くなるためです。
しかし、買主側から「手付解除期日が短いから、長くしてほしい」と希望を出せば、延長してくれることもあります。
心配な場合は希望を出しましょう。
個人間売買の場合は、一般的には2週間くらいの解除期日を設けることが多い印象です。
売買契約日から決済日までの期間が3ヶ月や4ヶ月など長い場合は、手付解除期日に1ヶ月程度取ることもあります。
手付金が10%になることがある?
前述で手付金の相場は5%と書きました。
しかし、5%を上回ることも、下回ることもあります。
どういうことなのか解説します。
手付金5%未満の場合
手付金を現金で準備できない場合は、5%未満で売買を行うこともあります。
例えば、3,000万円の価格の場合は相場だと手付金150万円が必要ですが、買いたい人が100万円しか準備できないとします。 この場合は、100万円で取引を実施することもあります。
ただし、他の条件をのまなければならないこともありますので、できれば150万円を用意しておくことが望ましいです。
手付金10%以上の場合
手付金が5%を上回るケースはそう多くはありませんが、売買価格が低価格の場合に起こります。
例えば、売買価格が600万円の場合は、手付金(5%)は30万円になります。
この場合、手付解除額も30万円ということになり、損失額が小さいために売買契約の解除リスクが高まります。
そのため、5%ではなく10%の60万円に設定することがあります。
売買価格が2,000万円を超えてくると、手付額も100万円を超えるため、5%を上回る額での不動産契約はあまり見られません。
手付金は現金支払い?振込?
不動産業界は古い業界で、未だにファックスを使っているなど、アナログな部分は否めません。
手付金の支払いについても、未だに「現金を引き出しての支払い」が多く、大金の持ち運びに抵抗感を示す人も少なくありません。
なぜ現金支払いが多いのでしょうか? これは不動産契約の性質に原因があります。
不動産売買契約は、「不動産売買契約書の締結」と「手付金の支払い」を同時に実施します。
そう、契約書の締結と手付金の支払いは同時なのです。 つまり、両方が完了しない限りは締結(成立)になりません。
不動産契約は一般的に休日である土日に実施されることが多く、手付金の支払いを銀行振込で実施したとしても、当日に着金確認ができません。
そのため、確実性を期して現金支払いを行い、その場で契約締結とする流れにするのです。
しかし、最近はこの流れも変わってきています。
ネット送金を活用することで即時に着金確認ができるようになってきたため、振込支払いの割合も増えてきました。
まとめ
本記事では手付金に集中して解説してみました。
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手付金には2つの性質(証拠金・解約権)があり、頭金とは全く別物である。
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手付解除期日は、買主にとって長ければ長いほうがいい。
これらのことは不動産屋の界隈では当たり前に理解されているものの、一般のお客様にはなかなか知ることができない常識です。 自分の身を守れるのは自分しかいません。 自分の契約がどうなっているのか、内容をちゃんと確認するようにしましょう。
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