家を買おうと考え始めたとき、多くの人が最初に感じるのは「ワクワク」と「不安」が入り混じった、なんとも言えない気持ちではないでしょうか。
賃貸とは違い、購入となると金額も大きく、人生の中でも特に大きな決断になります。そのため、普段は気にしないような細かな疑問まで気になってしまうものです。
たとえば、「戸建てって何年住めるの?」「国税庁の耐用年数って、実際に住める年数のこと?」といった疑問は、多くの人が必ず一度は抱くものです。
この記事では、そんな“漠然とした不安”をひとつずつほどきながら、あなたが安心して家選びを進められるよう、丁寧に解説していきます。
- 建売新築一戸建ての購入を検討している人
- 何年住めるのか気になる人
- 耐用年数と住める年数の違いとは
建売新築一戸建ての耐用年数とは
「耐用年数」という言葉は、家を買おうと調べ始めた人なら必ず目にする言葉です。
しかし、多くの人が“なんとなく”の理解で止まってしまい、「耐用年数=住める年数」と誤解してしまうことも少なくありません。
実はこの耐用年数、国税庁が税金計算のために定めた“会計上の基準”であり、建物の寿命そのものを示すものではありません。ここを正しく理解しておくと、家の価値や寿命に対する不安がぐっと減り、より冷静に家選びができるようになります。
まずは、耐用年数とは何なのか、そしてなぜ存在するのかを、できるだけわかりやすく解説していきます。
上記のページのように、耐用年数があるものは建物以外にも、自動車、設備機器など多数存在します。
耐用年数とは
耐用年数とは、国税庁が定めた「減価償却資産の使用可能期間」のことです。
これはあくまで“税金計算のための基準”であり、建物が実際に住める期間とは別物です。
建物だけでなく、自動車や設備機器などにも耐用年数が設定されています。
たとえば木造住宅なら22年、鉄骨造なら34年など、構造によって年数が異なります。
● 実生活でのイメージ:個人事業主の例で考える
ここからは、よりイメージしやすいように、あなたが個人事業主だと仮定して話を進めてみます。
毎年、確定申告をしているとしましょう。
収入から経費を差し引き、その残りに所得税がかかるという仕組みはご存じの通りです。
たとえば、
- 年間売上:600万円
- 経費:300万円
この場合、課税対象となる所得は300万円になります。
そして、この300万円に対して所得税がかかります。
● ここで「300万円の自動車」を買ったらどうなる?
もしあなたがその年に300万円の車を購入したとします。
単純に考えると、経費300万円が追加されるため、所得は0円。
つまり、その年の所得税は0円になります。
しかし、実際には一括計上ではなく、減価償却という計算方法で計上します。
● 減価償却するとどうなる?
たとえば、自動車の耐用年数が6年と定められている場合、
300万円の車は6年間に分けて経費として計上します。
ざっくり言えば、
- 300万円 ÷ 6年 = 1年あたり約50万円
この50万円を毎年の経費として計上していくイメージです。
つまり、購入した年に300万円を一気に経費にするのではなく、
6年間に分けて少しずつ経費にしていくという仕組みです。
● 減価償却のメリット
所得税は、所得が高くなるほど税率が上がる仕組みになっています。
そのため、経費を複数年に分けて計上することで、毎年の所得が安定し、結果的に手取りが安定するケースが多くなります。
- 一気に経費にすると、その年だけ所得が極端に下がる
- 減価償却なら、毎年バランスよく経費を計上できる
このような理由から、減価償却は実務上とても重要な考え方なのです。
● これが「耐用年数」の考え方
耐用年数とは、
“資産をどれくらいの期間に分けて経費として扱うか”を決めるための税務上のルール
ということです。
建物にも同じように耐用年数が設定されていますが、
それはあくまで“税金計算のための数字”であり、
実際に住める年数とはまったく別の話です。
不動産の耐用年数は評価額にも影響する
家の購入を考えるとき、多くの人が気にするのは「何年住めるのか」という点ですが、実は耐用年数は“住める年数”だけでなく、もうひとつ大きな役割を持っています。それが「不動産の評価額」に関わるという点です。評価額と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、これは将来の税金に直結する、とても大切なポイントです。
● 不動産の評価額に影響する税金
不動産の評価額は、以下のような税金の計算に使われます。
- 贈与税
- 相続税
- 譲渡所得税(売却時の利益にかかる税金)
- 固定資産税(毎年支払う税金)
これらの税金を計算するとき、建物の価値は年々減っていくものとして扱われます。
そして、その“価値が減っていくスピード”を決める基準のひとつが、国税庁が定める「耐用年数」です。
建売新築一戸建ては何年住めるのか?
家を買おうと調べていると、「木造住宅の耐用年数は22年」などの情報を目にして、不安になる人はとても多いです。
「え…22年しか住めないの?」
「30年後には住めなくなるの?」
そんなふうに感じてしまうのも無理はありません。
しかし、ここで一度立ち止まってほしいのです。
耐用年数とは、あくまで**国税庁が税金計算のために定めた“会計上の基準”**であり、
実際に住める年数とはまったく別物です。
これは断言こそ避けますが、世の中の実例を見れば、ほぼ誰もが納得できる話です。
なぜなら、街を歩けばわかるように、
耐用年数をとっくに超えている戸建てが無数に存在しているからです。
築40年、50年の家は珍しくありませんし、
築60年、70年の家も普通に現役で使われています。
もし耐用年数=寿命なら、これらの家はすべて住めないはずですよね。
でも、実際にはしっかり存在し、今も人が暮らしています。
これこそが、耐用年数と住める年数がイコールではない何よりの証拠です。
建売新築一戸建ては何年住めるのか?
では、現代の建売新築一戸建ては、実際どれくらい住めるのでしょうか。
結論から言うと、
適切なメンテナンスを行えば60年〜70年は十分に住める
と考えられます。
もちろん、以下のような要因で寿命は変わります。
- 建築メーカーの品質
- 地震などの自然災害
- 浸水などの環境リスク
- メンテナンスの頻度や内容
- その他の環境により変動
しかし、これらを踏まえても「長く住める」という根拠はすでに世の中に存在しています。
● 昔の建物でも長寿命の実績がある
たとえば、耐震基準が存在しなかった時代に建てられたマンションや戸建てが、
今もなお現役で使われています。
- 築40〜50年の建物 → 数えきれないほど存在
- 築60〜70年の建物 → 数は少ないが確実に存在
これらは、現代の建物よりも基準が緩かった時代のものです。
それでもこれだけ長く使われているのですから、
今の厳しい基準で建てられた家が短命である理由はありません。
● 建築基準は昔より圧倒的に厳しい
日本の建築基準は、時代とともに大きく進化してきました。
- 昭和50年頃:旧耐震基準が施行
- 昭和56年頃:現在の新耐震基準が施行
- その後:地盤調査の義務化、省エネ基準の強化、耐久性向上の技術発展
昔の家は、今ほど厳しい基準で建てられていませんでした。
それでも長寿命です。
では、今の家はどうでしょうか。
耐震性、断熱性、耐久性、施工技術、材料の品質…
どれをとっても昔より進化しています。
そんな現代の戸建てが、昔の家より早く寿命を迎えるとは考えにくいですよね。
● 60年住めれば、人生の大半をカバーできる
たとえば、30歳で家を買ったとします。
そこから60年住めれば、あなたは90歳。
人生の最後まで、同じ家で暮らすことができる計算です。
もちろん、途中でリフォームをしたり、設備を交換したりは必要になりますが、
それはどんな家でも同じこと。
大切なのは、
“建物そのものは長く使えるポテンシャルを持っている”
という事実です。
まとめ
家を買うという決断は、人生の中でも特に大きな選択のひとつです。だからこそ、「何年住めるのか」「耐用年数って何?」「建売住宅でも長く暮らせるの?」といった疑問や不安が生まれるのは、とても自然なことです。
ですが、ここまで見てきたように、耐用年数とはあくまで“税金計算のための基準”であり、建物そのものの寿命を示す数字ではありません。実際の住める年数とは切り離して考える必要があります。
現実には、耐用年数を大きく超えて使われている家が全国に数えきれないほど存在しています。
築40年、50年の家は当たり前に残っており、築60年、70年の建物も現役です。しかも、それらは今よりも基準が緩かった時代に建てられたものです。
耐震基準が整う前の建物でさえ長寿命なのですから、現代の厳しい基準で建てられた建売新築一戸建てが短命である理由はありません。
もちろん、地震や浸水などの自然災害、メンテナンスの頻度、施工品質などによって寿命は変わります。しかし、適切に手を入れながら暮らしていけば、60年、70年と住み続けることは十分に可能です。
もし30歳で家を買えば、90歳まで暮らせる計算です。人生の大半を同じ家で過ごすことも現実的です。
大切なのは、数字だけに振り回されず、建物の品質や暮らし方、メンテナンスの計画などを総合的に見て判断すること。
この記事が、あなたの不安を少しでも軽くし、安心して家選びを進めるための一歩になれば嬉しく思います。
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